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The Outboard Shop ヨコタオート&マリン

日本海の離島、隠岐の島の船外機ショップより

船外機の燃料系トラブル(ゴミ、異物編)

こんにちはヨコタオート&マリンです。

 

本日は船外機の燃料系のトラブルについて書きたいと思います。

今回はゴミなどの異物編です。その他の事も後日書きたいと思います。

 ※以下、長い文章になりそうです(笑)※

 

昨日、お客様より電話を頂き船外機の点検修理のご依頼を頂きました。

モデルは「ヤマハ4ストローク船外機F25D」です。

到着後に症状の聞き取りをしますと・・・

・船外機で走行中に突然エンジンが停止した

・その後、エンジン再始動しにくかったが何とか始動はできた

・油圧や温度の警告ランプは点灯していなかった

・始動後はエンジンが吹け上がらず、燃料ホースにあるポンプを揉み(燃料を送り)ながら空ぶかししていると何とか回転が多少はあがるので、様子を見ながら帰港した

・帰港の途中で同じ様に数回エンジン停止した

との事です。これだけ症状を説明して頂けると、とてもありがたいですね。

冷却不足などによる軽いオーバーヒートでも似たような症状がでますが、警告ランプが点灯していなかった事やその後の状況から燃料系のトラブルと推測しました。

ひと通りエンジンオイルやプラグ、エンジン全体の点検を済ませてからキャブレターを取り外し分解をしました。

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4ストローク船外機、特に近年のモデルは軽量コンパクト化の為に構造的に入り組んだ造りになっており部品を外す際にも、それなりに工具が揃っていないと外せません。

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分かりにくいですが、フロートチャンバー(燃料の溜まるカップ部分)の底に茶色い粉が堆積しています。

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汚れを燃料ごとバットに移してみましたが、けっこうな量でした。これ恐らく鉄の錆びた粉末です。この小さな小さな異物ですが、キャブレター内の燃料経路は非常に狭いのでガソリンに混ざっていると今回のように悪影響が出てしまいます。

でですね、この錆粉がどこから来たかと言いますと船外機の燃料タンクに給油する為のガソリン携行缶からです。

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これはお客様の現物ではないですが、こんな感じのよくある鉄製ガソリン携行缶だそうです。恐らく経年劣化や結露による水分などでタンク内部が錆びており、給油時のガソリンに錆が混ざったと思われます。

通常、車やオートバイはGSで直接給油しますが船外機の場合にはこの様なガソリン携行缶で買い付けて自身で給油するという作業が発生しますが、ここは自己責任&自己管理なんです。何となく惰性になりがちな作業ですが、海上でのエンジントラブルは命にもかかわりますので本来はとても注意しなくては行けないところなんです。

解決策としては、まずは傷んだ携行缶を使わない事やステンレス製の錆びない(錆びにくい)携行缶を使用する事です。

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ステンレス製ガソリン携行缶です。主な物で10リットルと20リットルサイズがあり形状もヨコ型、タテ型など数種類あります(写真はタテ型幅広タイプです)。

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なおガソリンをGSで購入する際ですが、隠岐の島にはありませんがセルフGSでは自身で携行缶に入れての購入が出来ません(有人GS店のスタッフが入れないとダメです)。

また携行缶ですが消防法適合品で写真のUNマークやKHKマークがあるものでないと給油してもらえない場合が大半です(自治体などで異なる?ちょっと不明な内容あり自己責任で解釈、確認してください)。

まあ新たに購入する際にはマーク付きを買われておけば間違いないです。

 

それから船体側にセットしますが有効な手段として燃料フィルターがあります。

燃料タンク内部や船外機内部にも一応ストレーナーというメッシュ状のろ過部品がありますが・・・

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ヤマハ製燃料タンクの給油口にあるストレーナー

これらは大きなゴミなどはくい止める事が出来ますが、今回のような微細な異物や水分は止めることが出来ません。

 

そこでお薦めするのが・・・

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この様な油水分離タイプの燃料フィルターです。これらを燃料ホースの途中にセットする事でガソリンを清潔な状態で船外機に供給が可能です。

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内部のフィルターは汚れたら交換できるカートリッジ式で点検と交換をすれば本体は継続して使用が可能です。

また、燃料が溜まるカップが深めに設計されており燃料内に水が混入していた場合は比重の差を利用して底部に分離する事が可能です。また水が貯まると浮かぶ赤色のリングが内蔵されており浮いてきますので目視で確認できます(その後、フィルター内やタンク内を点検して必要があればろ過したり、廃棄します)。

と言うことでひじょーに長くなりましたが、まとめますと・・・・・

・ガソリンの取扱に注意しましょう(ゴミ、水分、古いガソリンはNG)

・ガソリン輸送用の携行缶の手入れ、点検も心がけましょう

・出来れば油水分離タイプの燃料フィルターを設置しましょう

 

今回のようなキャブレター内のゴミはオーバーホール修理で改善できますが原因を断たなければ繰り返すのと、2気筒・3気筒・4気筒エンジンなどではキャブレターも同様に2コ・3コ・4コとなる場合が大半で、結果修理費用も高額になりますから特に注意が必要です。

ちなみに今回のお客様は内容を説明させて頂いたところ、燃料フィルターの設置とステンレス製ガソリン携行缶への買い替えを快くご了解頂けました。

 

以上、みなさまのボートライフの参考になれば幸いです。