アンカーウインチ取り付け② (新品)取付け前の下ごしらえ
こんばんは、ヨコタオートです。
一昨日、昨日と少し天候が回復しかけましたが一転して今日は冷たい雨。自分もそうですが屋外で仕事をされている方には、やはり辛い季節ですね。隠岐の島でもインフルエンザが流行りだした様子なので、皆さんも体調管理など十分に注意してお過ごしください。
さて、今回ですが少し前にアンカーウインチの取り付けについての記事を書いておりましたが、その続きになります。
今回取り付けたのは
工進のミニカール チタンボロンローラー RN-2012(12V)です。
勿論、今までも工進の製品は取り扱ってきましたが、このチタンボロンローラーは初めて仕入れました。通常、白いボディ部分はアルミ合金でできている製品が大半ですが海での使用と電気製品である事からボディの腐蝕が進行しやすく経年で徐々に塗装が剥がれ地の金属部分が傷んでくる事が多いです。
このチタンボロンローラーはボディがチタンボロン合金で耐蝕寿命が2倍と謳っています。まあ単純に倍とは思いませんが、通常よりは長持ちする事でしょう。
前置きはこれぐらいで、新品ですからそのまま取り付けても良いのですが昨今のインターネット通販全盛の時代に地元で買って頂けるお客様に販売価格では通販ほど貢献できませんので見えない部分ですが、お返ししております。
まず、分解(笑)
動力となるモーター部分ですが、ハウジングは鉄製です。PTTの時と同様に未処理ですと・・・・
・・・・・まあ、これは廃船から外したモノなので状態が酷すぎますが、少なからず錆びてきてしまします。
お決まりですが、養生して下地には錆止め塗料を塗り
上塗りに塗膜の厚い、うちでは車のアンダーコートを塗装しています。
この後に乾燥したらマリン用の耐水グリスも薄く塗っています。
次にON-OFFスイッチですが、ヤマハのパワーメイトも同じモノを使用していますね。このスイッチと配線の接続部分ですが、錆びてきて接触不良を起こしたり配線の銅線を酸化腐蝕させたりします。
こんな感じですね。
よって配線の裸端子を交換して防水チューブで保護した後に接続するのですが、その後は上からゴム系のシール剤かグリスを塗布して錆など軽減させます。
今回は寒さのせいかゴム系シール剤が硬く塗りづらかったのでグリスを塗布しました。(ちょっと塗り過ぎで、この後に少し拭き取っています)
(参考:ゴム系シール剤で塗った場合)
あと、ケース内とはいえ配線の接続がこの様なタイプの通常の圧着端子で接合されている場合があります。 国産メーカーの設計や機械精度は素晴らしいと思うのですが、この様な部分はイマイチですね。
仮にアメリカの名前の通ったメーカー品なら配線は錫メッキした物を使用していますし、接続にも気を使っています(OEM海外生産は分かりませんが)。
※アメリカはDIYで個人ユーザーがこういったマリン製品を自分たちで取り付けしたり修理する事も多いので、様々な背景もあり意外と部品の選定は良かったりします※
配線の接続はやり変えて、防水シュリンクチューブで保護し直しました。
また、取り付け用のボルト類は、塩害で塩ガミしないように耐水グリスやシリコンをネジ山に塗り対策します。
これらは、いつか修理などのアフターサービスが発生した場合に自分の作業効率を助けてくれるのでやっておいて損がありません。
他、修理時に苦労するのがロープ巻取りロール部のシャフトからの取り外しです。ここはロープに含まれた海水の影響をもろに受けるので塩が固着してロールが抜けなくなるので耐水グリスの塗布は必須です。
軽度な固着なら、こんな工具で抜き取り出来ますが・・・・・
ひどい時はロールを切断したり、アセチレンで加熱して抜くなど費用的にも大げさな事になる場合があります。
と、こんな感じで下ごしらえをしまして
この様な感じで、前回の記事内で作成していた架台に設置をしました。
後日、海上でアンカーの巻き上げテストも無事に終わりまして・・・・・
あとは海上が凪になりましたら、納品できるのですがいつになりますかね?
<あとがき>
今回の作業ですが、当店が勝手に独自で行っているものです。メーカーでは1年程度の製品保証もしていますし、これらを行って無いからといって性能上の問題がでたり、早期に壊れるといった問題もないかと思います。参考にされる場合にも自己責任で行って頂きます様、あしからずご了承下さい。