Garmin Quickdraw™ Contours(ガーミン自動等深線作図機能)について ②
ヨコタオート&マリンです。
まず先月25日に開催されました隠岐の島町役場主催のいきいき祭出展に際しまして当方のブースへお越し頂きました皆様、誠にありがとうございました。
店舗以外の場所で初めてGARMIN製品の展示をさせて頂いた訳ですが、それほど告知が出来なかったなと反省しながらの開催となったのですが少なからず興味をお持ちになり足を運んで頂いた方も多く非常に有意義でした。
また今後、購入をご検討されるという方も多々おられましたので当日説明がしきれなかったであろう内容を少しづつにはなりますが、こちらのブログにて補足をしていきたいと思います。
そして今回ですが、GPSプロッターの地図画面上に自動で等深線を作図する機能「Quickdraw Contours」につきまして2回目の記事になります。
重複する内容もありますが宜しければ以下の前回記事と合わせてお読み下さい。
<GARMINマリン機器用のマップについて>
まずGPSプロッターの地図画面上に表示される等深線ですが、国産メーカーのモデルですと各メーカー製の標準マップが搭載されているケース
写真はHONDEXの標準メーカーマップ(加茂沖付近)
またはNewPecに代表される電子航海参考図などが搭載されているケースがあります。
写真はFUSOのNewPec搭載モデル(五箇沖付近)
これらは情報量(等深線の間隔など)の差こそあれ、そこからある程度の海底地形を推測することは出来るかと思われます。
しかしながら、これらの等深線は紙海図や電子海図をもとに作成されたものであり必ずしも全てが正確な描写でなかったり、情報が古く海底形状が変わってしまっている場合もあります。
対してGARMINなど海外製のモデルは全世界向けに出荷されるケースが多いので世界中の詳細地図を(データ量が大きくなりすぎるので)搭載する訳には行かず、簡易的な海岸線が描写された簡易マップが標準となっており当然ですが等深線データはありません。
よってこれら海外製のモデルはそれぞれの地域にて地図データを購入してSDカードなどで補完するスタイルが一般的となっています。
尚、GARMINの場合も日本国内においてSDカードスロット搭載のモデルには以下の形で地図のご提供が可能です。
1. 本体内蔵の世界ベースマップ(SDカード等でのマップデータ追加なしの場合)
参考:GARMIN本体内蔵の簡易地図より西郷湾入り口付近
2. WaterViewMap(カーナビベースの)オリジナルマップ(機器購入時は無償提供)
参考:WaterViewMap(本体ご購入時は無償提供)より西郷湾入り口付近
本体内蔵マップと比較して海岸線の描写はかなり正確になりますが、現状はカーナビベースになりますので海上での灯台、浮標等のデータや等深線もありません。
3.NewPec電子航海参考図(有償マップ)
参考:NewPec電子航海参考図+海底地形図verより西郷湾入り口付近
海図ベースのGPSプロッター用電子航海参考図です。
当然、灯台や浮標等のデータ搭載で海底地形図付きは詳細な等深線が入っています。
●日本全国版 NewPec 航海用電子参考図 ¥37,260(34,500)
※沿岸潮汐データが追加され少し価格が上がりました
NEWPEC+沿岸潮汐 | 地図製品 | 製品 | Garmin | Japan | Home
●日本全国版 NewPec 航海用電子参考図+海底地形図 ¥52,380(48,500)
※沿岸潮汐データが追加され少し価格が上がりました
NEWPEC+沿岸潮汐+海底地形全国版 | 地図製品 | 製品 | Garmin | Japan | Home
以上の3通りにて提供が可能となっております。
※STRIKERシリーズはSDカードスロットがありませんので地図表示不可※
しかし、先にも述べたように仮にNewPec電子航海参考図+海底地形図をセットされたとしても必ずしも正確な情報ばかりとは行きません。
<「Quickdraw Contours」自動等深線作図機能について>
上記した様な「メーカー標準マップ」や「NewPec電子航海参考図+海底地形図」に表示されない瀬などの空白地ついて隠岐の島沿岸での実例をあげてみますと・・・
NewPec版海底地形図より
この位置で拡大しても瀬の描写はありません
上の写真の場所は隠岐の島(島後)の南東沖にある通称「三十立」と呼ばれる瀬になりますが、この瀬は通常国産GPSプロッターや上の写真の様にGARMINにNewPecをセットして見ても瀬の描写はされていません。
しかし実際にこの場所で自動等深線作図機能「Quickdraw Contours」を起動させてみますと実際の海底形状がリアルタイムで作図描写されていき以下の様になります。
瀬の頂点位置を中心に周囲を航行してQDCで等深線を作図をしました
QDCの等深線は30cmピッチと非常に細く描写されこのままだと分かりにくいので暫定で10m範囲毎に
カラーを設定しました。すると海底形状がより把握しやすくなります
更に拡大すれば等深線の詰まり具合で傾斜も把握できます
ここは有名な瀬なので多くの方が場所自体は知られておりGPSプロッター上にマークされているかと思いますが、正確な形状や規模は把握している方は少ないと思います。
また仮にそれを調べようとしても多くの時間と手間を労するかと思われますが、GARMINの自動等深線作図機能「Quickdraw Contours」であれば起動させて周辺を航行したり釣りをしながら流すだけで自動で上の様な等深線マップをリアルタイムで作成できます。
この自動等深線作図機能「Quickdraw Contours」にて海底の形状を可視化できる事は非常に大きく・・・
例えば魚釣りにおいて潮の向きや強弱を知る事は非常に重要なファクターではありますが、海底の形状や深さを正確にイメージ出来ていて・・・
その潮が海底で瀬などにどの様にあたるかまでを把握できれば仕掛けを流したり、ジグ(ルアー)を落とす上で更に有効となる事は安易にお分かり頂けるかと思います。
<QDCで作成した等深線マップのカラー設定などについて>
少し上記でも触れましたが、自動等深線作図機能「Quickdraw Contours」にて作図した等深線ですが
●NewPec使用時はNewPecの等深線マップにオーバレイ(重ねて)表示されます
●同じ海域にてQDCをした場合は新しいデータにて上書きを行います
●QDC等深線の表示はON/OFF設定が出来ます
●QDC等深線の着色は任意設定で、お好みの水深範囲と色が設定出来ます。
水深の範囲は任意で自由に設定できます
また任意で部分的にカラー表示OFFにすることも可能です
※範囲設定は最大で10項目のみとなります。例とえば10m毎設定すると0m~10m/10.1m~20m/20.1~30mの様になり100mまでになります。
等深線マップに着色なし
等深線マップに着色あり
またQDC等深線の着色は任意ですのでターゲットとなる魚種の水深のみ着色したりすることで視認がしやすくポイントの絞り込みなどで有効です。
<QDCデータの保存について>
QDCの記録保存は機器にセットしたSDカードへ行われます。
約1500時間で2GBの容量を使用するとの事なので、例えば5時間/日の記録をするとしても2GBあれば約300日分となります。
対応する最大サイズ32GBのSDカードなら約4800日分(5時間/日として)となります。現在8~16GB程度のSDカードなら¥1000以下でも購入できますので、そのあたりでも十二分ではないでしょうか。但しSDのデータは突然死する事もありますので定期的にPC等へデータのコピー保存を推奨します。
※「STRIKER Plusシリーズ」はSDカードスロットが無く、本体メモリにデータ保存しますので記録容量には限りがあります(最大90平方キロメートル)※
<QDC搭載モデル、お薦めの仕様について>
ここまで読まれてきて、良い機能だし興味もあるが機器が高額ではないかと心配さるる方もおいででしょうが・・・
GARMINの場合は上位シリーズだけではなく
※本体価格数万円のモデルからQDC搭載です※
ストライカーplus、エコマップplus、GPSMAP585plusなどのエントリークラスからこの機能が使用可能です。
またQDCは操作(起動)も非常に簡単です。
作図したい海域で「Quickdraw Contours」を起動させてボートを走らせる事で機器が自船位置座標と即位水深を自動演算してリアルタイムでモニター上に等深線マップを作成していきます。一度操作(起動)させれば、魚探など他の画面に切り替えても動作しており停止するまでは自動で等深線を作図しています。
振動子が水深を捉えられない状況やスピードでない限りは、特に難しく考える必要なくボートを走らせるだけでOKです。
ただし穏やかな水面でゆっくり走る方が精度は高いと思います。
と、ここまで書いてきましたが・・・・・
これからのGARMINの導入にあたりお薦めの内容は以下のとおりです。
1. 既存でGPSプロッター(魚探)を所有されている場合
・ご購入アイテム=(GARMIN機器+振動子+無償マップ)
既存機器で等深線やポイントデータは確認できますので、それらをベースに自身の良く行く海域でQDCを行いオリジナルの等深線マップを作製してください。
2. 既存機器なしの場合 その1
・ご購入アイテム=(GARMIN機器+振動子+NewPec電子航海参考図+海底地形図)
ご予算に余裕があれば、やはり「NewPec電子航海参考図+海底地形図」があると初めての海域でもポイントの絞り込みなどが簡単です。
これに追加で釣りをしながらQDCを行い等深線を強化してください。
3. 既存機器なしの場合 その2
・ご購入アイテム=(GARMIN機器+振動子+無償マップ)
・補助アイテム=スマホアプリ(有料)
「NewPec電子航海参考図+海底地形図」は高額ですがアプリの代用にて同等の効果を得られます。 こちらのアプリにて現在隠岐の島周辺海域もサポートされていますのでスマホ等で等深線マップを見ながらポイントを検索、周辺海域に到着後はQDCを起動させてオリジナルの等深線マップを作成してください。
アプリの使用に月額料金とパケット通信費などはかかりますが、ある程度のQDC等深線マップが完成すればアプリは解約されれば宜しいかと思います。
4. 既存機器なしの場合 その3
・ご購入アイテム=(GARMIN機器+振動子+無償マップ)
・Quickdraw™コミュニティを使用
「Quickdraw Contours」機能ですが・・・ Garmin Quickdraw™コミュニティというサイトでデータをシェアする事が可能です。 赤いエリアは全国のGARMINユーザーが自身の作図した等深線マップをアップロードしている印です。 現在、隠岐の島付近でもこれだけのQDC等深線図がシェアされています。 西郷湾付近を拡大するとこの様な感じです。 これらは機器の購入後にSDカードへ保存すれば、直ぐにGPSプロッター画面上に表示され使用が可能ですので、既にご自身の行かれる海域がネット上にアップロードされていればある程度の等深線マップがご購入時点で入手できます。 以上、長くなりましたがGARMINの自動等深線作図機能「Quickdraw Contours」は非常に優れた機能であり、ボート釣りを行う方にとっては非常に有益なデータをもたらします。 ここまでの文面だけでは少し難しく感じるかもしれませんが店頭では実機でのデモンストレーションもできますので、お気軽に申し付けください。 尚、実機デモンストレーションご希望の際にはその他業務との兼ね合いもありますので、必ずご予約をお願い致します。 最後まで読んで頂きましてありがとうございました。 ※GARMINマリン製品は日本の各地域に販売代理店をおき、それぞれが販売商圏を持っていますので基本的に商圏を越えての販売等は出来ません。 弊店(ヨコタオート&マリン)のGARMINマリン製品販売、アフターサービスの商圏、責務は隠岐の島(島前・島後)内となっております。 ブログを御覧の隠岐の島島外の方でGARMINマリン製品に関するご質問、見積もり等お問合わせは以下の販売代理店リストよりお近くの店舗をお探し下さい。 販売代理店リスト | GARMIN MARINEサポート|ガーミンGPS魚探・船ボート機器