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The Outboard Shop ヨコタオート&マリン

日本海の離島、隠岐の島の船外機ショップより

ヤマハ4ストローク船外機ニューモデル「F90C」が発表されました

船外機モデル紹介&換装事例

ヨコタオート&マリンです。

2月も末になり、春一番も観測されたとの事で寒いながらも春が近づきつつある様です。3月には横浜でボートショーも開催されますので徐々にボート業界もシーズンインと言うところでしょうか・・・。

 

そんなボートショーの開催に向けてヤマハよりニューモデルの発表がありました。

 

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ストローク船外機の90馬力ニューモデルになります。

軽量・コンパクト化により幅広い用途に対応 4ストローク船外機 「F90C」 新発売 - 広報発表資料 | ヤマハ発動機株式会社

(既にアメリカでは先行して発表されF90と共にF75が出ていますが、日本国内でも近いうちに追加でF75またはF80として発表されるかと思われます)

 

 

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既存モデルのF90B(上:写真)は2004年頃からのロングセラーでしたが、遂にモデルチェンジになりました。カタログの中でもF80Bと共に唯一外観デザインが旧タイプでしたが、これで新型のF80(またはF75?)が発表されればヤマハ4ストロークシーリーズは全モデルが現行デザインに統一される事になります。

 

 

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今回のニューモデルF90C(上:写真)ですがデザインは勿論ですが、その他の大きな相違点としては・・・

 

旧:F90Bが4気筒1596ccだったのに対して

新:F90Cが、F130AやF115Bと同じく4気筒1832ccになった事かと思いますが・・・

この4気筒1832ccのシリンダー部は従来と比べても部品のレイアウト変更や防蝕対策が進んでおり、特に排気系統の造作は個人的に好きなモデル群です。

(その他にもあるかと思いますが、また講習会などで勉強します)

 

また他社90馬力と簡単に比較してみますと

ヤマハF90C:4気筒1832cc(166kg/Xシャフト)

スズキDF90AT:4気筒1502cc(164kg/Xシャフト)

ホンダBF90D:4気筒1496cc(172kg/Xシャフト)

マーキュリーF90XL:4気筒2061cc(172kg/Xシャフト)

※重量は計測時のセットプロペラがメーカーによりアルミとステンレスで様々ですので多少の前後はあります※

こうして見ますとマーキュリーの大排気量と軽量化が目立ちますが・・・・・

ヤマハも国産他社と比較すると同重量帯でありながら排気量的にはやや抜きん出た感じがあります(約330cc大きい)。まあ大きければ良いと言うものでもありませんが、人員が多い場合や重負荷などでは有利な部分もあります。

 

セットする船ですが、雰囲気的にはやや重量のある21フィートクラスのVハルランナバウトや、UF-23(タックル)などのフィッシングボートがマッチすると思います。

現在2ストロークの80~115馬力クラスからの換装に良さそうですね!

 

また現物の入荷や、講習会などでの情報が入りましたら改めて紹介をさせて頂きたいと思います。

最後に新モデルの発売は4月上旬からになる予定です。お見積含めまして商品の問い合わせ有りましたらお気軽に連絡下さいませ。

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ライフジャケットの着用義務が拡大されます

ライフジャケット、安全備品など

 

ヨコタオート&マリンです。

 

立春を過ぎまして暦上は春を迎えつつあるのでしょうが、まだまだ寒い日が続きます。

そんな船に乗れないシーズンには釣り道具などの手入れも良いのですが、是非ライフジャケットなど安全備品の点検や手入れもされてみて下さい。

 

なぜこの様な話題になりましたかと言いますと・・・・・

国土交通省では法令を改正して平成30年2月からライフジャケットの着用義務について範囲を拡大します。

違反者には行政処分もあるようです。

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更に詳しくは

海事:ライフジャケットの着用義務拡大 - 国土交通省

 

 

 

現在、船舶の乗船時にライフジャケット着用義務が法令で定められているのは

・12歳未満の小児

水上オートバイの乗船者

・1人乗り漁船で漁ろうに従事する方

の3項目だけであり、その他は「着用に務める義務」となっており任意なんですが・・

これが一部適用外になる条件もありますが、基本的には船舶に乗船する際には全員のライフジャケットの着用が義務化されるようになります。

 

 

近年ライフジャケット着用に関しては様々な団体や媒体での着用推進活動なども有り以前よりは着用率が上がっていると思いますが、やはりニュースなどで見る海難事故を見ますと命を落とされるケースではライフジャケットを着ていなかったと聞くことが多い様に思います。

逆にライフジャケットを着ていて潮流で流されるが数日後に救助なんてニュースも聞きますよね!

 

これらの事柄は人に言われてどうこう思うよりも、自身で考え判断する事ではありますがライフジャケットを着ていて損をする事はあまり無いはずです。

 今回は法改正と言うタイミングではありますけれども・・・・・

・ライフジャケットを毎回必ず着用している人も

・ライフジャケットの着用を時々忘れる人も

・ライフジャケットをぜんぜん着用しない人も

もう一度ライフジャケットについて一考されてみる良い機会かと思います。

ボート遊びも、魚釣りも、漁ろう(漁業)も命あっての事ですから無事に家族のもとへ帰れるのが当たり前になるようにお願い致します。

 

 

最後になりますが・・・

ライフジャケットの点検は忘れずに行いましょう(生地の破れやジッパー、紐など)。

また特に膨張式は着用していても落水時に作動しない(膨らまない)と意味がありませんので定期点検は忘れずに行って下さい。

以下参考までに過去の投稿より

yktmarine.hatenablog.com

 

 

 

2017年カタログ

カタログ、書籍など

ヨコタオート&マリンです。

 

寒い日が続きますね。ここ隠岐の島も雪が降ったり少し積もったりと不安定な天気が続きます。

風も強く海も時化ますのでフェリーの欠航が多く物資(部品)が届かず、仕事も予定通りに行かないのがこの時期ならではです。

 

ボートシーズンにはまだまだ早く・・・・

春が待ち遠しいのですがボート業界自体は3月に横浜で「ジャパンインターナショナルボートショー」が開催されるので慌ただしくなっている様です。

 

さて表題のカタログ、多くのメーカーはこのボートショーに合わせて新しいものを発行するのですが、幾つかのメーカーは既に2017カタログが出来上がり送ってくれますので、こんな片田舎にいても業界の春が近いことが感じられありがたい気持ちになりますね(笑)。

 

店頭にもカタログご用意していますので、入用の方は店舗までお越し下さい。

 

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ヤマハ2017船外機カタログ Vol.1

ヤマハは更新しつつ年に何回かカタログを発行するのでコレ自体は昨年秋に発行されたものです。

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よって今年の1月に発売された「F25G」はカタログに掲載されておらず、別途パンフレットになっています。同クラスで圧倒的な最軽量モデルで非常に興味があります!

早い時期に取り扱ってみたいので、どなたか購入して頂けないかと勝手ながら思っています(笑)。ヤマハW-19やW-18など5.5m前後の和船に良いと思いますよ!!

 

ちなみのこれまでの「F25D」についても暫くは併売になるようです。ガスダンパーアシストによるハイドロチルト仕様などは新しい「F25G」では現在ラインナップされておらず、この仕様など幾つかは従来の「F25D」での提供となります。

実は25馬力という馬力帯は様々なサイズの船舶で使用されており4.2mの軽量なアルミ製バスボートもあれば、6mを超える様な和船にセットされ業務で使用される事もザラですので軽量でEFI仕様の「F25G」、排気量の大きいキャブ仕様の「F25D」の併売は船体に合わせて選択ができ意外とありがたいなと思います。

 

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また他にも今年はヤマハからニューモデルが発売される様で、3月のボートショーでお披露目になるみたいです。このあたりは、また発表後に詳しく書いてみたいと思っています。

 

 

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マーキュリーの2017年カタログも発行されています。

もともと弊店が先代の時には販売の主力ブランドでしたし、現在の輸入販売元は私が勤めていた会社なので思い入れも深いです。

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近年は4ストローク船外機のラインナップに「シープロ(SeaPro)」シリーズを立ち上げて力を入れ販売されています。

もともとマーキュリーのアルミ合金は腐蝕に強く、ここ隠岐の島でも20年以上前のマーキュリー船外機が現役バリバリで動いているものも多いですが・・・

「シープロ(SeaPro)」シリーズはいわゆる業務用モデルになっており、通常モデルよりも部品やソフトウェアなどをより耐久性を持たせる為の仕様に変更して作られています。国内でも徐々にユーザーが増えて好評を得ている様ですね。

www.kisaka.co.jp


業務仕様を謳っていますがデザインも良くプレジャーボートにもGOODです。また通常モデルと比較して最高速を狙う仕様ではなく、やや低い回転域でトルクが得られるようになっており巡航回転域での使用が多い海のボートではこの様な仕様が実はマッチしているのではと思います。

40・60・75・90・115・150馬力がシープロモデルでラインナップされています。

 

 

 

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ホンダはまだ新しいカタログは出来ていませんが、昨年販売が開始された追加モデル「BF80・BF100」を含めたパンフレットが届いています(正確には2015年12月末発売です)。

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ホンダ船外機は自動車エンジンからの流用やフィードバックが色濃く、最新の技術をふんだんに取り込んでいるのが特徴ですね。

特にVTECやBLASTを搭載したモデルの加速性は非常に良いと評判です。

ホンダユーザーは載せ替え時もホンダとリピーターになるケースが多いのも納得です。

 

 

 

他、船外機関連ではないですが・・・

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弊店で取り扱うダイビング用品「日本アクアラング」の2017カタログが届いています。

私自身はダイビングをしないのですが先代はダイビングインストラクター資格を持ち、ボート屋とは別でダイビングの会社をしていた位のダイビング好きです。

島内でたくさんの需要がある訳ではないので在庫は限られますが、冬期以外は物流も良いのでご注文いただければ2~3日程度で取寄せが可能です。

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マスクやスノーケルは漁で素潜りされる方が買われていかれる事が多く、定番のモデルを通年で少し在庫しています。カラーのついたモデルや女性用モデルなどは取り寄せになります。

※眼科医やメガネ店での処方をお持ちいただければマスク代+追加料金でレンズの度入れ加工も可能です※

 

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夏場になるとレジャーでの需要も増えるので、少し安価なセットモデルなどもおいています。今期はセットモデルが少し増えているので夏前には仕入れておきたいと思っております。

 

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フィン(足ひれ)も以前は需要があったので在庫していましたが、近年はそれ程出ませんのでサイズバリエーションもあるので取寄対応になっています。

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先日、漁師さんとフィンの話をしていると最近はブレードがフルカーボンまたはハイブリッドカーボンなどのロングフィンが主流になってきているみたいですね。

慣れないと扱いが難しいようですが、慣れればすごく良いらしいです(使ったことないですが・・・)。

一応ラインナップにありますので、カーボンブレードタイプも取寄対応ですが取り扱っていますので宜しくお願いします。

 

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あとは鉛ウエイト(1kg・2kg)、ベルト、バックルは写真の程度を在庫しています。

そうそう意外と良く売れるウエットスーツの補修用ボンドも置いてますよ。

隠岐には数少ないサーファーのお兄さん方が良く買ってくれます)

 

 

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最後に

ヤマハ(ワイズギア)の2016-2017用品カタログが10冊ほど余っています。

春には新しいのが出ますが、色々と参考になるカタログなので欲しい方は店頭までお願い致します(数に限りはありますが無料でどうぞ)!!

 

以上、また新しいカタログなど入りましたら案内させて頂きます。

 

 

 

 

www.kisaka.co.jp

新年あけましておめでとうございます(2017)

謹んで初春のお慶びを申し上げます

本年も宜しくお願い致します

 

 ヨコタオート&マリン 横田 洋

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本年の営業は1月6日(金)からとなっております。

宜しくお願い申し上げます。

本年もありがとうございました(2016)

ご挨拶など

ヨコタオート&マリンです。

 

少し晴れ間も見える穏やかな本日30日の隠岐の島、やはり今年の冬は暖かいように思います。

 

さて弊店の年内営業ですが昨日29日にて終了させて頂きました。

隠岐の島へ戻り家業を継いで8年目のシーズンでしたが、今期もたくさんのお客様にご利用を頂きまして誠にありがとうございました。

 

20代から80代の方まで様々な世代のお客様と会話をしながら・・・

そして様々なメーカーの様々な機器や用品と向き合いながら・・・

気がつくと年末になっていた様に思います(年々とこの感覚が早くなる気もします)。

 

また昨年暮れから始めたこのブログを見られて新規でご来店頂いたお客様もいらっしゃり、イメージしたとおり丁寧な仕事だねと評価され嬉しく思う事もありましたが・・・

反面で、年々と仕事をお待たせしてしまうケースが増えてきておりまして来年はこれらの改善を目標に更に精進をしていきたいと思っております。

 

年明けは1月6日(金)より営業をさせて頂きます。

このブログを含め、お客様に喜ばれる仕事に来年も取り組んで行きますので引き続きご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。                          ヨコタオート&マリン 横田 洋

 

皆様、良いお年をお迎え下さい

 

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ホームページを公開しました

店舗の案内、告知など

ヨコタオート&マリンです。

 

いよいよ今年も最後の週になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?

私は年内にまだやらなくてはいけない仕事があるのですが天候の悪さ、特に雨天に悩まされています。(寒いのはまだ良いのですが、雨は機器を修理するのにはNGですから)

 

さて、表題の件ですが今年中に作成して公開しようと思っていましたが案の定年末になりましてようやく公開できました。

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情報的にはブログやFacebookの方が投稿し易いので、ホームページ内に特筆するような内容は無いのですが当方店舗の基本情報を掲載させて頂いております。

 

これからボートを購入しようという方や修理のご依頼などで、初めて店舗を訪れる方へ予備知識として当方の店舗概要を予めご案内出来ればと思っております。

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また、JCI(小型船舶検査機構)検査の隠岐の島町検査日程や検査代行についての案内のほか、小型船舶操縦免許証の更新&失効講習などの日程案内もしておりますので該当される方は参考になるのではと思います(あくまで隠岐の島町での内容になります)。

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最後にお断りですが、スマホタブレット向けの画面調整が完了しておらずページは開けますが非常に見づらいと思います。近日中に調整しようと思いますが、しばらくはパソコンで閲覧頂ますようお願い致します。

以上、ホームページのご案内でした。

http://www.yokota-autoandmarine.com/

 

 

ヤマハ4ストローク船外機ニューモデル「F25G」が発表されました

船外機モデル紹介&換装事例

ヨコタオートです。

今年も残り僅かになりましたが、本日ヤマハ発電機㈱より表記の船外機ニューモデルの発表がありました。先月の販売店会議で来期には新しい25馬力が発売されると聞いてはいましたが思ったよりも早く、年明け1月には出荷も開始される予定の様です。

 

以下メーカーHPへのリンクと、隠岐の島での25馬力需要、他社との簡単な比較、ニューモデルについての私見を投稿しております。ご興味のある方はお付き合い下さい。

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写真は・・・

「F25GWHL(電動&ロープスタート/ティラーハンドル/マニュアルチルト仕様)」

www.yamaha-motor.co.jp

 

 

ここ隠岐の島では18FT~20FT(5.4m~6.0m)クラスの和船が多く、昔から2ストローク&4ストローク共に25馬力という馬力帯は非常に需要が高いです。

沿岸での様々な漁業や趣味としての魚釣りやイカ釣りなどでこのサイズの和船は

・浜揚げがしやすく管理が容易

・25馬力でも十分な速度が得られる(遠出はしなくても漁場が近い)

・維持費、燃料費などのランニングコストが良い

などの理由がありますので隠岐の島の各港でも良く見かけます。

 

ヤマハの4ストローク船外機25馬力は初代「F25A」が1998年頃に発売されました。

以降たくさんの「F25A」が長らく使用されており現在もご愛用のユーザー様が多く、定期メンテナンスなどのご依頼も比例して多いです(よく触るので結構得意かもしれません)。

その後2009年頃にはマイナーチェンジ(外観は大きく変わりましたが)を行い「F25D」へ移行していますが、こちらも隠岐の島ではたくさんのユーザー様がおられます。

 

これらヤマハ「F25A~F25D」の主なスペックは

シリンダー:2気筒(498cc)※25馬力のみのシリンダー※

燃料供給:キャブレター

機関重量:79~84kg(モデル仕様により異なる)

パソコン診断:不可

私見:他社と比較するとスペック的には突出した特徴はありませんでしたが、モデル的には熟成しており信頼性は高いと思います。

 

他社4ストローク船外機25馬力モデルを見てみますと同じく主なスペックでは・・・

 

スズキ「DF25A」

http://www1.suzuki.co.jp/marine/df30a_25a/

シリンダー:3気筒(490cc)※25&30馬力共用のシリンダー※

燃料供給:バッテリーレス燃料噴射システム 

機関重量:73~76kg(モデル仕様により異なる)

パソコン診断:可

私見:各スペック的には最新のモデルだけあって優れていますね。特に重量が軽いのがお薦めポイントですが、これは同スペックを持つ30馬力(DF30A)になると更に強調したストロングポイントになると思います。

(今回のヤマハ「F25G」は更に大幅な軽量化が進んだ点で驚きました)

 

トーハツ「MFS25C」

http://www.tohatsu.co.jp/marine/product/4st/tabid/145/pdid/1100250/Default.aspx

シリンダー:3気筒(526cc)※25&30馬力共用のシリンダー※

燃料供給:バッテリーレス燃料噴射システム 

機関重量:76~84.5kg(モデル仕様により異なる)

パソコン診断:可

私見:少しづつモデルチェンジを行い進化してきたモデルだと思います。現行モデルは外観のデザインも非常に良くなりスポーティなイメージが強いです。

重量的には平均的ですがオプションでマルチティラーハンドルが選択できるなどニーズに応じたモデル選択が可能です。バッテリーレス燃料噴射システムやパソコン診断なども時代のニーズに応じています。

 

マーキュリー「25ELHPT XRi」

http://www.kisaka.co.jp/mercury/4stroke2015#25elhpt_xri

シリンダー:3気筒(526cc)※25&30馬力共用のシリンダー※

燃料供給:燃料噴射システム 

機関重量:84kg

パソコン診断:可

私見:マーキュリーブランドのモデルですが、トーハツのOEM供給によるモデルになります。外観のデザインはマーキュリーオリジナル仕様の他、チラーハンドルのグリップ操作ででシフトとスロットル両方の操作が行えるワンハンドオペレーションになっているのが大きな特徴です。

 

ホンダ「BF25D」

http://www.honda.co.jp/marine/outboardmotor/products/bf25.html

シリンダー:3気筒(552cc)※25&30馬力共用のシリンダー※

燃料供給:キャブレター

機関重量:77.5~83kg(モデル仕様により異なる)

パソコン診断:不可

私見:スペック的には平均的なモデルです。オプションでマルチティラーハンドルが選択できる事などが挙げられますが、ぼちぼち他社なみにモデルチェンジをしても良いのかと個人的には思います。

 

そして今回発売される新型ヤマハ「F25G」ですが・・・

https://global.yamaha-motor.com/jp/news/2016/1221/f25g.html

シリンダー:2気筒(432cc)※現在のところ25馬力のみのシリンダー※

燃料供給:バッテリーレス燃料噴射システム 

機関重量:58~64kg(モデル仕様により異なる)

パソコン診断:可(未確認ですが間違いないと思います)

私見:やはり特筆すべきはクラス最軽量となった重量ではないでしょうか。今まではスズキを除き80kg前後だった各社モデルから比較すると約20kgの軽量化になっています。従来の2ストローク船外機25馬力モデルが50~60kg程度の物が多かったので、これらからの船外機換装に際しても重量的なデメリットはなくなりました。

他、バッテリーレス燃料噴射システムは現在の流れからいくと当然ではありますし、私達整備士からしますとパソコン接続ができ運転時間などの管理や各種診断が出来るのは非常にありがたいです。

また写真を見ますと従来のティラーハンドルからマルチファンクションティラーハンドルになっておりシフト操作レバーがティラーハンドルに設置されている事で操作性も向上すると思います。

 

排気量が66cc小さくなった点は重たい船舶や業務仕様でどうかな?と言うところはありますが、今後もしかしたらハイスラスト(大きいギヤケーシング+大きいダイヤ径プロペラ)仕様なども追加されて来るのかもしれません。

何れにしましても弊店の販売主力サイズとして大変に魅力的なモデルで特に現在、2ストローク船外機「ヤマハ20D・25N」等をお使いのユーザー様にはお薦めになってくると思います。

 

発売は来年の1月からの予定です。

製品についてのご相談、換装の見積もり依頼などは是非店頭までお問い合わせ下さい。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございました。

過冷却(オーバークール)について

冷却水系統について

ヨコタオート&マリンです。

 

非常に久しぶりの投稿になりました。

ギヤケースメンテナンスの続きや、その他にも色々と更新したい内容もあったのですが・・・・・

ぼちぼちと出来る範囲で更新していきたいと思いますのでお付き合い下さい。

 

 

 さて今回ですが過冷却(オーバークール)についてです。年中ある症例ですが、なんとなく寒くなり気温とともに水温が下がってくると依頼が増える様な気がします。

 

過冷却(オーバークール)・・・

要するにエンジンが冷えすぎると言うことです。

 

現在の船外機は2ストローク及び4ストロークのガソリン内燃機関ですが、エンジンのシリンダー内で燃料を燃やす(爆発させる)事で動力を作りますので当然ですがその際には熱が発生します。

しかし過度な熱が発生したままにしますと金属部品の焼付き(オーバーヒート)が起こりますので、エンジンを冷却をしなくてはいけません。

しかし実際には想定された熱がエンジン内で発生してシリンダー内壁やピストンが膨張する事で適正な隙間となり正常な圧縮による動力が得られるように設計されていますので、エンジンは冷えすぎも良くありません。

車でも暖機運転を推奨されますが、これは適度な熱を発生させてエンジンオイルを温めたり上記のように金属部品の膨張を促して適正なエンジンの状態に持っていくための準備運動の様なものです。これは船外機のエンジンでも同様です。

※分かりやすく要約していますので多少の説明不足はご了承ください※

 

 

さて、その船外機ですがエンジンの冷却構造は一部を除きウォーターポンプインペラーによる水冷になっています。そしてウォーターポンプインペラーで汲み上げた海水(または湖水など)を直接エンジンの冷却水経路へ循環させるので非常に冷却の効率が高いです。エンジンを冷やす冷却水は周囲にたくさんありますので次々と水を汲み上げ、エンジンを冷やし温まった水は排気ガスと一緒に排出しますので、(特に低回転時など)そのままではエンジンは冷え過ぎた状態となってしまいます。

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このエンジンが冷えすぎた状態ですと、上記しましたが金属部品の膨張が不十分でピストンとシリンダー内壁の隙間が埋まらず正常な圧縮が得られなかったり(出力不足)、その隙間からガソリン混合気がシリンダー側へ抜ける事で起こるオイルダリューション(エンジンオイル希釈による粘度低下や劣化など)が発生したり、特に低速(アイドリング)時の運転が不安定になったりといった症状が発生しやすくなります。

 

 

そこでエンジンの冷却水経路にはサーモスタットと言う部品が配置されています。

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(船外機のサーモスタット:左=弁が閉じた状態  右:弁が開いた状態)

エンジン以外にも電化製品などサーモスタットが使われている製品は多数ありますが、船外機のサーモスタットはワックスペレット型で通常はスプリングの張力で閉じられている止水弁が、規定の温度になるとワックスが膨張してスプリング押し上げる事で止水弁を開く構造になっています。

 

サーモスタット作動までの動きですが・・・・

エンジン始動に伴いクランクシャフトに連結したドライブシャフトが回転してドライブシャフトに設置されたウォーターポンプインペラーにより汲み上げられた冷却水はエンジンシリンダー内の冷却水経路を循環してエンジンを冷やします。

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エンジン始動直後からエンジンが温まるまではサーモスタットの止水弁は閉じた状態です。この時の冷却水はエンジン内の冷却水経路を順番に冷やしながら循環していき最終的に排気ガスと混合されて排出されます。排水まで出口は遠くその間に冷却水の温度も上がりますので徐々にエンジンの温度も徐々に上がっていきます。

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その後、中~高回転域の使用に伴いエンジン温度が上昇しますが追随して循環中の冷却水の温度もどんどん上がってきます。そして冷却水温度が規定温度に達するとサーモスタットの止水弁が開き始めます。

イメージ的には冷却水の経路内に排水用の放水路(バイパス)が開く様な状態で、エンジン内を循環する冷却水の抜けが良くなるので冷たく新しい冷却水も入ってきやすい状態になります。

冷却水はエンジン回転の上昇に伴いドライブシャフトに設置されたウォーターポンプインペラーの働きで汲み上げ量も増えますので新しい冷却水がどんどん供給される訳ですが、サーモスタットの止水弁(放水路)が開き一部の排水がそちらから抜ける事で冷却水の循環効率が良くなりより冷却の効果が高くなると言うことです。

(幹線道路の交通渋滞をバイパス道路で緩和するような感じ??)

 

ここまでの大まかなサーモスタットの働きですが・・・

・低回転域ではエンジンが冷えすぎるのでサーモスタットの止水弁を閉じて冷却水の循環を抑制してエンジンの温度が下がり過ぎないようにコントロールを行います。

・中~高回転域でエンジンが高温になればサーモスタットの止水弁は開き冷却水は素早く循環してエンジンを冷やす事でオーバーヒートを予防します。

※分かりやすく要約していますので多少の説明不足はご了承ください※

 

 

 

さてさて、前置きが長くなりましたが以上を踏まえた本日の作業ですが・・・

スズキ4ストローク船外機「DF30T」キャブレター仕様の3気筒エンジンです。

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幾つかご依頼の内容はあったのですが、当初の症状は低速時にエンジンが停止し易いとの事でした。オーナーさん自身でキャブレターのスロットル開度を調整して回転数を上げて対応しているとのことです。

とりあえず、破損のあった部品の交換をサクサクと済ませてエンジンが止まりやすいとの症状を検証しました。

燃料ラインの接続点検や燃料漏れ、スパークプラグの点検などを済ませてましたが異常は無かったので、その他を見ていくと・・・・・

 

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サーモスタットカバー周りの塩分結晶付着も気になっていたので・・・

サーモスタットの点検も兼ねて

 

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サーモスタットカバーを外しました

 

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するとサーモスタットがオープンスタック(弁が開いたままで固着)していました

 

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上記した様に常温~規定温度までは弁が閉じていなければなりませんが、止水弁が開放状態ですので冷却水の循環が過多気味となりエンジンが過冷却(オーバークール)になっていた様子です。

特にキャブレター仕様では吸入する外気温の下がる冬の時期に、これが重なると低速運転が不安定になりやすいですね。

 

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通常サーモスタットの可否はポットに入れて水からお湯を沸かす過程で規定温度に達した時に止水弁が規定値まで開くかを測定するのですが・・・・・

 

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今回の様に止水弁が固着したもの(右)は、付着した塩分の清掃で動く場合もありますが使用年数も考慮した上で消耗部品と割り切り新品(左)交換する対応が多いです。

今回はたまたま開いた状態で固着しており過冷却(オーバークール)の症状なので低速運転の不安定で済みましたが、逆に止水弁が閉じた状態での固着ならオーバーヒートになっていた可能性もあります。

サーモスタットはエンジンの適正な運転を行う上で非常に重要な保守部品ですので、ある程度消耗品と割り切り定期的な点検と交換が必要な箇所と言えると思います。

 

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 サーモスタット設置部分は冷却水(海水)が滞留し易い場所なので結晶化した塩分(カルシウム)が堆積しています。点検時には必ずこれらの清掃除去を行います。

 

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新しいサーモスタットを設置(青いのは耐水グリスです)

 

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サーモスタットカバー取付に関してガスケットやパッキンがある場合には、これも毎回必ず交換します。

また今回のモデルの様にサーモスタットカバーが冷却水を逃がすバイパスホースを取り付ける為のニップル形状になっている場合は、ホースとカバーの間に塩分が堆積して合い面が腐食する場合があります(上の部品、下は新品)。

今回は若干ですが水漏れの形跡もあったので合わせて交換しています。

 

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他のモデルですが、酷い場合にはここまで腐蝕する事もありますのでサーモスタットだけでなくサーモスタットカバーも定期的な点検が重要ですね。

(メーカーやモデルによってカバーの形状や取り付け位置は異なります)

 

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バイパスホースの合い面も傷んでいましたので、一緒に交換しています。このモデルはシリンダーヘッドの上面に接続があるのでここから水漏れがあるとエンジンが海水をかぶる事になりますからね。

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このモデルはボトムカバーが左右分割で外れるタイプなので整備がやりやすいです。

バイパスホースはシリンダーヘッド上面からエンジン下部へつながっています。

 

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作業後はエンジンの始動点検を実施

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アイドリング回転の調整を行い完了しています。

 

 

最後に、冬場のエンジン(特に低速)運転の不調が全て今回のサーモスタットによるものとは当然限りません。件数的には燃料系統やスパークプラグの場合が多いと思います。

このブログを読まれる様なマニアックな方が、長く船外機をご使用頂く上で知識として今回の症状も知っておいて頂いても良いかと思う投稿でした。

(作業内容的には業者の仕事になると思いますので、参考程度にお願いしたします)

 

 

船外機のギヤオイル交換について②

ギヤケースのメンテナンス

こんばんは、ヨコタオート&マリンです。

 

前回に引き続いてギヤオイル交換について書きたいと思います。

今回はギヤオイル交換時には合わせて行って頂きたいプロペラの脱着についてです。

 

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 当店でギヤオイル交換作業を行う時には必ずプロペラを外してプロペラシャフトやオイルシール付近を点検するようにしています。

ヤオイル交換は船体を上架するなど陸上でないと出来ない作業ですが、プロペラについても海上での脱着も出来なくはないのですが海上係留中はやり難い作業です。

 

ではなぜプロペラを外すかというと勿論プロペラシャフトを点検したり、塩害でプロペラとプロペラシャフトが固着しないようにスプラインに耐水グリスを塗るなどの目的もあるのですが・・・・・

当店のお客様もそうですが、日本でのボートの使用目的は大半が魚釣りだと思います。つまりプロペラ及びプロペラシャフトに釣り糸を巻き込むケースが多分にあると言うことです。

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こんな感じや

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こんな風に釣り糸を巻き込んでいる事が作業をしていると結構見ることが多いです。

ジギング中など巻き込んだ事が直ぐに分かる場合にはエンジンを止めて巻き込んだ糸を外せる事もありますが、藻などと一緒に浮遊している糸(PEとか)を低速移動中などに巻き込んでいれば気づくことも難しいです。

 

これら釣り糸をプロペラシャフトに巻き込んだ場合ですが、運が悪ければ・・・・

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写真のように僅かな糸がオイルシールに入り込んでゴム製のリップを傷めて・・・・

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ギヤケース内に海水が侵入する事があります。

ケース内に水が入るとギヤオイルと撹拌して白濁します(侵入した水が少なければコーヒー牛乳ぐらいの色やグレー色になっている場合もあります)。

また浸水した海水の量や流失したギヤオイルの量にもよりますが、ある程度オイルは粘度を保っていてこの上の写真の様な状態でも大きな違和感なく船外機は使用できてしまします。しかし水が入れば内部のベアリング、ギヤなどの金属部品は傷みますのでなるべく早急に処置をしなければなりません。

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中には運良く、こんなに糸を巻き込んでもオイルシールを傷めず浸水もない場合もあります。しかし、作業時にプロペラを外さずにこの状態に気が付かなければ後日にはオイルシールを傷め浸水しているかもしれません。

ですから、ギヤオイル交換作業時には合わせてプロペラを外して点検をする必要があると言えます。

 

ちなみに

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上の写真のシャフトから巻き付いた糸を取り外すとこんなにありました。

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この船外機はスズキDF115ATなんですが、オイルシールの前にこの様な部品が設置してあり巻き込んだ糸がオイルシールに干渉しづらい構造になっています。

 

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他にもこんな部品(白色のカラー)が設置してあるモデルや

 

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 米国製モデルのマーキュリーなどは外側のオイルシール(写真中の下の物)にはステンレス製のカバーが付いているなど各社のモデルによって対策は様々です。

 

しかしながら何れも必ず釣り糸の巻き込みを防げるものではありませんので十分な注意と、もし巻き込んだ糸が切れてしまった場合には早めにプロペラを外して取り除く事が必要ですから覚えておいて頂くと良かと思います。

 

以上、最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

※次回は実際のオイル交換作業について書きたいと思います

 

 

船外機のギヤオイル交換について①

ギヤケースのメンテナンス

ヨコタオートです。

久しぶりのブログ更新、不定期にもほどがあり申し訳ありません。

 

さて今回は船外機のギヤオイル交換についてになります。

内容的に一回では長くなりそうなので数回に分けて書きたいと思いますので、ご興味がある方は長文になりますがお付合いください。

一回目はギヤケース内の構造的な内容になります。

 

 

さて現在では船外機の主流は2ストローク船外機から4ストローク船外機に移行しエンジン部分が載った船外機上部側の構造は大きく異なってきました。しかし上部と比較して下部側のギヤケース形状や構造は2ストロークのものと大きくは変わっていません。これは現在のギヤケース構造や形状が既に熟成され完成されたものだからだと思われます。(抵抗を減らす為のケース形状変更や、ギヤ比、ギヤの材質変更などは一部モデルでは行われています)

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車などのエンジンはクランクシャフト軸が地面に対して横向きですが、船外機では構造上エンジンが縦向きに備わっていますので、ギヤケースではエンジン部で発生した動力をギヤを介して横向きへ変換してプロペラへ伝える構造を持っています。

 

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 2ストローク船外機のカットモデルですが、シンプルで構造が分かりやすいです

・エンジンで発生した動力(回転)はクランクシャフトに連結したドライブシャフトへ伝わります

・ドライブシャフトによりギヤケース内まで動力は伝わりそこでギヤを介して横向きに動力(回転)は変換されます

 

 

この変換するギヤ部分では大きなトルクが発生しますのでハイポイドギヤという構造で90度回転軸を変換しています。またここでは前進ー中立ー後進の切り替えを行うクラッチの構造も有しています。当然ギヤやクラッチなどの金属部品同士が接触して駆動していますので潤滑、冷却、汚れの吸着、防錆など必要でありギヤオイルがこれらの重要な役割を担っています。

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 さすがにカットモデルは作成できないので分解中の部品を使ってギヤケース内部のイメージを作ってみました。ギヤオイルは赤い斜線の部分に充填されており、ギヤ、クラッチベアリング、シャフトなどを保護しています。ケースの外殻に比較するとオイルの入っているエリアが狭い事がお分かりいただけるかと思います。

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 ギヤ部分を拡大してみました。

写真向かって左から

「後進ギヤ」

クラッチ(中にプロペラシャフトが貫通しスプラインで連結しています)」

「前進ギヤ」

「(少し隠れてますが)クラッチを動かすシフトカムとシフトロッド」

「上に向かっているのがピニオンギヤとドライブシャフト」

になります。

写真では見やすくする為にそれぞれを離してありますが、実際にはピニオンギヤと前後進のギヤは常に接触しています(↓こんな感じです↓)。

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 エンジンが始動するとクランクシャフトに連結されたドライブシャフトも回転を始めます。そのドライブシャフト先端にはピニオンギヤがありピニオンギヤは前後進それぞれのギヤと接していますので一般的には前進ギヤは右回転、後進ギヤは左回転します。

上の写真の様にクラッチが前後進のギヤに接触していない時は中立(ニュートラル)でプロペラシャフトは回転していません。

リモコンレバー(またはシフトレバー)を操作することで連結したシフトロッドが動き、その動きがシフトカムからクラッチに伝わりクラッチが前進ギヤまたは後進ギヤと噛みあう事でプロペラシャフトが回転する仕組みです。

 

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 船外機ギヤケース内のクラッチです。大半がドッグクラッチと呼ばれる写真の様な形状をしています。前後にそれぞれ凹凸があり、これが・・・・・

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 それぞれのギヤの凹凸と噛み合い動力が伝達されます。

ちなみにリモコンレバーまたはシフトレバーの操作の注意点ですが

・必ず低回転(アイドリング回転)時に行う事

・出来るだけ素早くギヤが入る位置までレバーを倒す事

です。レバーの操作をゆっくりしてしまうと「ガッ、ガッ、ガッ・・・」と嫌な感じの音がしますが、その時にはクラッチとギヤの凸部が衝突しながら滑っている状態で非常に宜しくありません。金属同士なので摩耗しますし、酷ければ破損する事もあります。

 

参考までに過去に修理で持ち込まれた酷い事例ですと・・・

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摩耗したクラッチと・・・

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 新品のクラッチの比較

凸部の角が無くなっているのがお分かり頂けると思います。

これは後進側の凸ですが、ここまで摩耗するとレバーを後進にシフトしても入り難い、または回転を上げると噛み合いが抜けてニュートラルに戻ってしまうなどの症状が出てきます。

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 この時のギヤケースから排出したギヤオイルですが、鉄粉が混ざりギラギラしていました。購入されてから一回もギヤオイルを交換した事がなく、他の部分もメンテナンスがされていない様子でした(過去の整備歴は不明)。

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ヤオイルを排出するドレンプラグですが磁石が先端についたものも有り、この時にはこんな様子になっていました。 こうなっていたら何かしらの異常があると考えられます。

 

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 通常より多めに鉄粉がでる初回のギヤオイル交換でもこの程度の付着ですから、上の写真の異常さがお分かりになるかと思います。

(ギヤオイル交換時には、こういう部分も確認しながらの作業が必要です)

 

まあ、上記の事例は極端なものでギヤオイルの交換を怠ると必ずなるかと言われるとそうではなく、ここまでなるのは使い方に問題の大半がある事が多いですが・・・・・

 

何れにしても定期的な点検とギヤオイルの交換を行っておけば、早めに対応できますし使い方を良くしてもらえれば改善の余地もあります。

メーカーの推奨ではギヤオイルの点検と交換のサイクルは100時間/または6ヶ月の早い方です。

しかし海上での作業は出来ない部位ですから上架または船外機を陸上へあげる必要があり、なかなか推奨サイクルでは実施しづらいのが本音ではありますが、上架して船底清掃などのを行うタイミングが一般的にはベストではないかと思われます。

 

ヤオイル交換に関してユーザー様と会話しているとエンジンオイルの交換と比べて認知が低いと言いますか、阻害にされている様に感じる事がありますが、とても重要なメンテナンスになりますのでご理解頂ければと思います。

 

次回はギヤオイル交換で見つけられた不具合の事例などを紹介したいと思います。

最後まで読んで頂きましてありがとうございました。