ヤマハ4ストローク船外機ニューモデル「F80D」が発表されました
ヨコタオート&マリンです。
今回はヤマハ発動機より新型の4ストローク船外機「F80D」が発表されましたのでそちらの紹介をさせて頂きます。
この新型モデルですが、この春に発売された「F90C」と同様に「F115B」をベースとした4気筒SOHC1832ccのエンジンを搭載したモデルとなります。
(これでヤマハ4ストローク船外機のフルラインナップは現行の流線形デザインにて統一されました。後ろから見ても綺麗なトップカウルデザインです)
さて既存の「F80B」は2005年頃からの国内販売で10年以上継続販売されてきましたが今回「F115B」「F90C」に合わせてモデルチェンジが行われた形になります。
ちなみにモデル呼称である「F80D」ですが
F=FourStroke(4ストローク)
80=馬力
D=モデル世代
となります。
F80の場合、日本国内販売モデルはB世代からD世代に飛びましたが・・・・・
C世代は海外モデルとしてヨーロッパなどで販売されており日本未発売ですから日本国内では見る事はありません。
(海外では国や州または単独の湖ごとに排気ガスなどの規制内容が異なりますのでメーカーでは需要と必要性に応じて燃料供給のプログラミングを変えたり一部の部品変更を行い販売しています。これらの変更モデルに世代呼称が割り振りされた場合に日本国内販売モデルでは今回の様なケースがしばしば起こります)
話が逸れましたが、新型「F80D」と既存「F80B」を簡単に比較しますと・・・・・
<F80B> 既存モデル・・・メーカー在庫限りで生産終了
エンジンタイプ:4気筒DOHC1596CC
ボア×ストローク:79×81.4
燃料供給方式:EFI(無鉛レギュラーガソリンOK)
最大発電出力:25A
乾燥重量:173kg(Xシャフトモデル)
<F80D> 新型・・・2017年9月1日発売開始
エンジンタイプ:4気筒SOHC1832CC
ボア×ストローク:81×88.9
燃料供給方式:EFI(無鉛レギュラーガソリンOK)
最大発電出力:35A
乾燥重量:166kg(Xシャフトモデル)
となっており排気量アップ、軽量化、発電出力アップなど概ね内容は向上しています。
更にメーカー資料によると
・加速性能の向上
・中速域での燃費向上(約10%改善)
とありますが・・・・・
恐らく排気量が(236cc)大きくなったのでトルクも太くなっているかと思われる分、全体的な燃費は同等か少し悪いぐらいになるのかな??と思います。
また他社75~80馬力と簡単に比較してみますと
ヤマハF80D:4気筒1832cc(166kg/Xシャフト)
スズキDF80A:4気筒1502cc(164kg/Xシャフト)
ホンダBF80A:4気筒1496cc(171kg/Xシャフト)
マーキュリーF75L:4気筒2061cc(163kg/Lシャフト)
※重量は計測時のセットプロペラがメーカーによりアルミとステンレスで様々ですので多少の前後はあります※
となっており、重量的には各社ほぼ横並びですね!
以下、この馬力帯の各社モデルに対する私見になりますが・・・・・
<ヤマハ>
エンジン周りや構造的にもベーシックな作りで、業務市場でも多く使われる事もあるせいか低燃費や加速性能的な要素よりもメンテナンス性や排気系統を始めとした腐蝕対策など耐久性を意識して力を入れている感じを受けます。
<スズキ>
オフセットドライブシャフトシステムなど独自の構造や、リーンバーン(希薄燃焼)制御システムなどの技術を積極的に取り入れており、軽量コンパクト化と低燃費性能を前面に押している雰囲気を感じます。
<ホンダ>
PGM-FIやリーンバーン制御ECOmo等のシステムで燃費性能を向上させたり、空燃比連動点火時期制御「BLAST」で加速性を向上させたりなど技術力を前面に押し出したエンジン作りをしている雰囲気を受けます。
<マーキュリー>
残念ながら近年のモデルを販売できていないので評価できる立場にないのですが、昔から本体アルミ合金の耐蝕性や塗装技術が高く本体が長持ちするイメージを持っています。また近年は電装部品や制御技術も向上していると思われ出来れば最新モデルを販売してみたいところです(若い頃はマーキュリー船外機で学ばせてもらっていましたので)。
<以下内容も私見になりますが>
当方では各メーカーの船外機を取り扱っていますので「どこのメーカーが良いの?」とお客様からよく質問を受けますが・・・・・
各社が4ストローク船外機を2ストローク船外機からの代替えを目指して本格的にラインナップして販売しだしてから約15年以上が経過しました。
当初の5年から10年に関しては各社が低馬力から高馬力までのラインナップを揃える為の期間だった様に思います。
これがある程度のラインナップが揃った時点からそれぞれ数回のモデルチェンジを繰り返した事で基本的には各社共通して小型軽量化、電子制御技術向上等による低燃費化、そして耐久性&メンテナンス性が向上しており初期の4ストローク船外機と比較しても構造的には成熟してきています。そこに上記したようにそれぞれのメーカーなりの特色と言いますか味付けがされてきて今の状態かと思います。
よってトータルで見た時に現行モデルに関しては大きな優劣はないと言うのが私の意見になりますが、細かい部分は書ききれない部分もありますので・・・
そこは割愛をさせて頂きます。
また船外機艇に関しては、自動車やオートバイと異なり本体(船体)とエンジンがパッケージされていないと言う独特なシステムです(新造メーカー船にはパッケージされていますが)。
つまりメーカーやモデルの選定に関しては販売店が船体サイズ、用途、積載物重量などでマッチングする船外機を選択する事がまずは重要になります。
つきましては換装の際には、よくよくお客様と相談をさせて頂きながらメーカーやモデルの説明と選定をさせて頂いておりますので、お気軽にご相談下さい。
途中から「ヤマハF80D」の事から話が逸れまくりましたが・・・
軽量・コンパクト化により幅広い用途に対応 4ストローク船外機 「F80D」 新発売 - 広報発表資料 | ヤマハ発動機株式会社
2017年9月1日からの発売となります。
22~25FT(6,5m~7.5m)クラスの少し大きめの和船や、23FT前後のフィッシングボートにマッチする船外機かと思いますので換装などのご相談は是非店頭までお願い致します(随時、御見積もさせて頂きます)。
ちょっと洒落たマルチパーパスなイタリアンボート。
新しいデザインのヤマハ船外機とも良くあっています!