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The Outboard Shop ヨコタオート&マリン

日本海の離島、隠岐の島の船外機ショップより

キャブレターのトラブル(燃料管理の必要性)について

こんばんは、ヨコタオートです。

 

今日は春らしい穏やかな一日でしたね。

このまま暖かくなってくれれば良いのですが・・・

 

さて本日のブログは船外機の燃料管理の必要性について書きたいと思います。

 

もともと今日は終日工場での作業を予定していたのですがお客様からの電話で船外機の始動不良整備の依頼があり、(隠岐ではワカメ漁が始まっており)出来れば急いで対応して欲しいとの事で急遽出張修理をしてきました。

 

電話での聞き取りの状況では・・・・

・朝はエンジン始動して漁場まで移動できた

・冷却水の検水は出ており、警告音などは無かった

・漁場から帰る際にエンジン始動せず曳航してもらい帰港した

セルモーターが回らない(これは誤解で異常なしでした)

・ロープスターターを引いてもエンジンがかからない

漁師さんの船外機なので、通年稼動しているだろうし・・・

①電気系統の突然死?

②燃料水入り?

が臭いかなと思いながら一通りの部品を持って現場に向かいました。

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モデルは「ヤマハ4ストローク船外機:F15C」以前記事に書いたF20Bとベースは同じエンジンです。

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まずはエンジンオイルの点検から・・・・

4ストロークの場合は何をするにもまずはエンジンオイルの点検を行います。

特に異常はないので各部の点検を実施。

数カ所点検しましたが異常はなかったので写真撮ってません。

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とりあえず燃料系の不具合に絞れたので燃料ストレーナーから点検。

思ったほど汚れはありませんでした。

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続けてキャブレターを取り外して分解開始。

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キャブレターのフロートチャンバー(燃料が溜まるところ)です。底部が変色していますが恐らくガソリンが劣化して不純物が堆積したものと思われます。

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どんどん続けて、メインジェット(燃料の供給管)、スロージェット(低速時の燃料供給管)を取り外しました。

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大きい方がメインジェットです。まあ多少汚れていましたが何とか大丈夫なレベルです。

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小さい汚れてる方がスロージェット!! (何故か写真が上下反転してますが)

「嘘でしょ! これで朝はエンジン始動できたの!?」 って信じられない状態です。

燃料が通る管(穴)なんて、これっぽっちも開いてません。

私、訪ねました「今日より以前で最後に使われたのいつですか?」

船首さん「んー、去年の6月だな!」

私「あ、そうですか・・・・」

船首さん家族は2艇の船があり漁によって使い分けしているそうです。やや納得しました。

古い燃料(ガソリン)が全てこの様なトラブルを引き起こすとは言い切れませんが、キャブレターのフロートチャンバー内に残留している油量は僅かです。

コップの水とお風呂の水でどちらが先に傷みカビなどが生えるかと言えば、コップであるように燃料も少ない容積の方が傷みやすいと思います。

今回はもともとの燃料も古かったり、多少の水分混入、熱い夏の期間を入替えなく越したなど複数の条件が重なったのではないでしょうか?

この仕事していても、ここまで酷いのは年に数回見るかどうかです。

しかし通勤や買い物に使う自動車やバイクと異なり船のエンジンは未使用期間が長くなる可能性が大きく、この様な燃料トラブルが起きる可能性は常にあります。

 

春になり「次の日曜は晴れたらボートで釣りに行こう!」なんて思われていても、いざ出航しようとしたらエンジンかからないなんて事は良く聞きますよね。

安易に考えず計画的にシーズンオフ前の格納前点検や、シーズンイン前の定期点検などを心がけて頂くと気持ちよく安心して遊べるかと思います。

 

長くなりましたが・・・・

作業の続きを一応書きます。

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詰まっていたスロージェットは専用のニードルで貫通させます(サイズのあった専用のもで行っています。むやみに針金などで行うと部品を傷めますのでご注意下さい)。

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各部の汚れ具合から超音波洗浄器にでも入れたいところですが、出先ではそうもいかず。ヤマハのキャブレタークリーナーに浸して待ちます。

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「YAMALUBE スーパーキャブレタークリーナー」高いけど短時間で汚れが落ちて効率が良いです。

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パーツクリーナーで洗い流して、エアブローで乾かしました。

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組み立てながらフロートレベルなど点検事項を確認してから本体へ組み付け

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無事に復旧! スローのパイロットスクリュー、回転数などを微調整して作業完了しました。

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(写真が縦になってしまい見づらいですが)

今回のモデルについてはキャブレター底部にあるドレンスクリューから燃料の排出が可能です。シーズオフで使わない期間が長くなる場合には、この作業を行う事で今回の様なトラブルを軽減できますので参考にされて下さい。

※但し、全ての船外機モデルについてドレンスクリューがアプローチし易い箇所にある訳ではありません。部品を外したり、特殊な工具がいる場合もあります。詳しくは取扱説明書(掲載されているかな??)または最寄りの販売店などに問い合わせ下さい※

 

以上、最後まで読んで頂きありがとうございました。